視聴期間:2日間
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息が詰まるやうなこの小さき町の片隅で 崇高なる書物の内に響き渡る叡智の羽音だけが おれの精神(たましい)に安らぎと尊厳を与える。 ああ、だが、きみよ、 おれの運命の女よ、 静謐な賢者の柩をこじ開けて その馨しき禁断の蕾が零れ落ちるとき、 陰鬱な戀の火焔が揺蕩ひて 狂はむばかりの堕落へとおれを追ひ立てるのだ。